ベイトリールのバックラッシュを減らす一手間
先日釣行してまして、わりとしっかりとした横風+風を受けやすいルアーでバックラッシュが多発してたり、ライン回収で緩かったりしてちょっとしたトラブルがスプールで起きてたのですが、ベイトタックルで苦労してる点は書き残しておくときっと誰かの役に立つ…はず。
釣りをしていて、途中のライントラブルが多いなあ…と思ったとき、スプールに巻かれている糸の状態を観察すると…色々なことがわかります。
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緩く巻かれているところがある
緩く巻かれているところは、基本的にテンションをかけずに巻くタイミングで発生しますね。それが酷いと謎の飛び出しループ「ピョン吉」が出てきます。これはよくあるトラブルですね。
たまにだいぶ深い、謎なところでピョン吉がいたりしますね。
状況としては、キャスト後の糸ふけの回収時や、ラインテンションに張りのオンオフがありながら巻くワンピッチジャークなどで顕著。また、巻き始めでスプールの糸が緩んだまま巻いてその上にテンションが掛かった糸がのっかる「隠れゆる巻き」もあるあるです。
こちらについてはよく指摘される点ですね。
<解決方法>糸を出して巻き取りなおす
時々、十数投に一度くらい、キャスト後の巻き取りテンションを意識し、ロッドアクションなしのタダ巻きつまり「捨てキャスト」で回収する癖をつけるとだいぶ減ります。
(捨てキャストについては後述します)
また、奥のピョン吉を見つけたらバックラッシュ部分がほどけても、奥のピョン吉までしっかりと糸をだして解消してください。
レベルワインダーと非同調によるスプールのラインの整列の乱れ
今回、あんまり書かれていないのでこちらを書きたかったわけです。
シンクロレベルワインダーのついていないベイトリールでは糸を放出したときに以下の状態がおきます。
- レベルワインダーの動きとスプールの糸の位置の非同調
- スプールに糸を巻く方向が狂う(逆走する)
この2つ、糸の放出時にもレベルワインダーが同調するシンクロレベルワインダー搭載していないリールでは、構造上回避できない問題です。
1つ目の「レベルワインダーとスプールの糸位置の非同調」は、糸が巻かれている位置とレベルワインダーの位置が乖離している場合、巻きはじめたときに糸が斜めに大きく跨ぎます。
そのため、スプールの中ですこしばたつきが起きやすくなり、またその部分にあとから巻かれたいとによる圧がかかる形になりますが、通常そこまで大きな問題ではありません。
ここで問題となるのは2点目「スプールに糸を巻く方向が狂う(逆走する)」点についてです。
レベルワインダーは一方方向に動いては端で折り返し、反対方向に向かいます。そのことで回収した糸をスプールに均して巻く事ができます。
しかし、レベルワインダーが同期していないリールは糸の放出後、その流れが狂う事があります。
例えば、左から右に動いていたレベルワインダーに対して、右から左に糸が巻かれているスプールの状態を作り出してしまう事があるわけですね。
すると、そこには「途中で折り返した巻き」というのができます。
つまりは偏り巻きの一種ですね。
これらの結果、スプール上の糸が綺麗に放出されないトラブルによって、バックラッシュを誘発する一因となるのかな(という気がしています)
これらが繰り返される事はもちろん構造上は不可避なのですが、意識して回避できるケースもあります。
それが「トラブル発生時のリスタート時」です。
<解決方法>トラブル時は意識してリスタートする
1も2も糸を引き出してトラブルを解決したときに、そうならないようにする事です。
レベルワインダーの動く方向と糸巻き方向を揃え、一直線にしてからリスタートする。
無論、釣りのテンポが崩れるのでちょっとした糸ウキ、着水ふんわり等で引っ張り出す場合などではやらなくてもよいかなと思います。
ただ、トラブルが増えてくるとイライラが増してきます。
一旦気持ちを落ち着けてリスタートすることで、キャストに落ち着きを戻らせる意味もありますので、大きめのバックラッシュの解消のときなんかは意識してやるとよいかなと思います。
また、基本的にはトラブルが増えてきたなとおもったら「捨てキャスト」で糸の整列を戻してあげる事でトラブルは確実に減ります。これは断言できます。
DAIWA TWS独自のトラブルに注意
放出時のレベルワインダーの穴が拡張されてとっても便利なDAIWAのTWSなのですが、ライントラブル解決後等、糸ふけのテンションをかけた巻き取り時にトラブルがおきるときがあります。
バックラッシュをクリアしたあとに指でつまんでテンションをかけて巻く事はよくありますが、その時に指でつまんでテンションをかけますよね。
その時に、つまんだ結果「本来TWSの”縦溝”で回収すべきラインを”横溝”の位置で回収してしまう」という事が起きます。
つまり「つまんだことで糸の通り道に高さが出てしまう」ということです。
パイプ型のレベルワインダーだと、同じ状況でも左右幅は高さに大きな影響は受けませんから、ある程度ちゃんとスプールに均して糸を巻いてくれます。
(ただし、テンションのかけ方では偏り巻きとかありますから、スプール側が全く影響を受けないわけじゃないです。)
しかし、TWSの場合、横溝位置に糸があっても、するすると糸は巻けてしまうんですね。
すると…実質的にレベルワインダーレスと同じ状態で糸を巻いてしまいますので、スプールには同じところに巻かれた糸山ができてしまい、それがその後のトラブルの種になります。
<解決方法>TWSの指テンション巻きのときは確認する
これはもう目視確認し注意するくらいしか対処はないです。
無理に押しこんでも、斜めにテンションが掛かってしまうと今度は偏り巻きの原因になりますので、ほどよいテンションのかけ方をやって覚えるしかないですね。
「捨てキャスト」でトラブルを減らす
捨てキャストとは、今使っているルアーを遠投を意識してキャストし、そのままラインスラッグの回収時のテンションの緩みに注意して巻き始め、ロッドを立て気味に、竿とライン、ルアーはまっすぐに。糸にテンションかけながらただまきで回収します。
高速回収する必要はないですが根掛かりしないように注意してください。
特にロッドアクションが大きいルアーを使っている時に蓄積するライントラブルはこれだけでも軽減できます。
また、使っている糸の長さよりも引き出せるメタルジグやナスオモリ等に付け替えて、ドーンと遠投キャストして、回収すると使っていた部分がある程度リフレッシュされます。
現場で糸をまき直す「捨てキャスト」の重要性
ある程度長時間投げ続けるのであれば、どうしてもスプールの糸は緩み、乱れてきます。それはトラブルの小さな種ですが、ベイトタックルの場合、突然それが牙を剥いてきて、リペア不可能なバックラッシュや高切れの原因にもなります。
テンションの余計な緩み、スプール上の糸の整列の乱れは捨てキャストである程度元に戻ります
トラブルが起きる前に、時々「捨てキャスト」をして、トラブルのないスプールの糸巻き状態を作り出す事で、大きなトラブルを回避できるのかなと思います。
私がスピニングをつかっていないのですけども、スピニングでもおそらく同じなのだと思います。スピニングの場合はヨリトレールをつけて投げたりするといいみたいですね。
時々糸を巻き直すつもりでキャストする事も重要かなーと思ってます。
途中からどうもライントラブルが増えるな…と感じる方は、一度観察してもらって、スプールに偏りが見えるなどあれば是非お試しください。