21アンタレスDCをダブルボールベアリングへ換装
だいぶ前に買っていたキャリルのダブルボールベアリングですが、やっと取り付けたので記事にしておきます。
かなり簡単な作業…とはいえ、いじるのは100%自己責任です。
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交換するベアリングの場所と用意するベアリングのサイズ
ダブルボールベアリングに交換する「スプールを支持するベアリング」の場所は
- DCブレーキ内部
- メカニカルブレーキキャップを外してすぐ
の2箇所です。
対応するIXAダブルセラミックボールベアリングは画像の通り、1033+1033の「シマノ1」。
いずれも1033サイズのダブルボールベアリングとなります。
ただし、元のボールベアリングはサイズ的には1034(1mmほど厚い)のものですので、取付時にはゴム製のOリングを挟み込むことで厚みを調整します。
また、元のボールベアリングにはゴム製パッキンリングが装着してあり、隙間を完全に無くすようにセッティングされています。
この点はいかんともしがたいので、純正より軸のカタつきがでる可能性はある、と思います。
薄めのシーリングテープを巻き付けて挿入できれば同じ効果は見込めますが、今回は見送りました。次回以降やるかもしれません。
ボールベアリング交換に必要な工具とオイル類
- 綺麗にはまるプラスかマイナスの精密ドライバ
- ボールベアリングを引き抜くための道具(ベアリングリムーバーもしくは自作)
- (必須ではない)ハンドルを脱着するための六角レンチ(10mm)
- パーツクリーナー、フィネス向けの低粘度&中粘度オイル(ベアリングの内輪・外輪で使い分けキャリルの指定)
- (必須ではない)ベアリング強制乾燥のためのエアーダスター
ドライバーについては確かシマノは両対応なので綺麗に収まる方でよいかと思いますが、ナメやすいのでマイナスの精密ドライバをオススメします。
細かいところは六角ネジに変えてしまったので覚えてません。
六角ビスへの交換はナメる心配がなく、どのみちメンテナンスの頻度を考えるとコジる前に交換オススメなので是非。
weraの精密ドライバは扱いやすいのでおすすめです。
次に、ボールベアリングを引き抜く工具ですが、太めのゼムクリップか0.8mmのステンワイヤーあたりをペンチで先端2mmくらい「L字」にした工具を自作してもよいですし、ボールベアリングリムーバーを使ってもOKです。
まっすぐ引き抜く必要がありますので、ドライバーでこじるなどは止めましょう。
メカニカルブレーキノブの作業性をあげる場合にはハンドルの脱着が必要になりますが、必須ではありませんのでご安心ください。
多少ハンドルとスタードラグノブが邪魔して作業がしにくい程度です。
ベアリングのクリーニングに使うパーツクリーナーと油脂類は好みの物を使うとよいと思います。
ちなみに私はパーツクリーナーはAZオイルの速乾プラスチックフリー、油脂類は同じくAZオイルフッ素オイルのBlc-12(高粘度タイプ)、Blc-10(低粘度タイプ)の2種類を用意していました。また、そのままだと使いにくいので、少し無駄が出ますが注油用のスポイトボトル、いわゆるオイラーに移しています。オイラーはAZオイルで売っているオイラー(極細)が、リールメンテナンスに適量を出しやすくて超おすすめです。
iOSとかのオイルは評判がよいのでそちらでもよいかと思います。よく話題になるグリッチオイルは使ったことがないのでわかりません。
こちらの931という型番のパーツクリーナーはパーツクリーナーにしてはイヤな臭いが少なく扱いやすいのでオススメです。
エアーダスターは脱脂したあとにパーツクリーナーを吹き飛ばすのに便利ですが、必須ではありません。ただ、リールの洗浄なんかしたときにも使えますので、一つもっておくとよいかなーと思います。ちなみにこちらのエアーダスターで十分です。
手順(1):ダブルセラミックボールベアリングの脱脂・乾燥
作業を始める前にダブルセラミックボールベアリングを脱脂/乾燥/注油をします。
パーツクリーナーをジャブジャブかけて、なんなら小瓶に漬け込んでキッチンペーパーやキムワイプなどで拭き取って乾燥させます。エアダスターで吹き付けてもOKです。
手順(1)-2:ダブルボールベアリングへの注油
ダブルボールベアリングは内輪と外輪で別の粘度のオイルを入れるように指示があります。
外輪:フィネス向けの低粘度
内輪:外輪よりやや粘度の高い(中粘度)もの
ということだそうです。おそらく内輪/外輪で仕事量を最適化するために、ボールの少ない内輪に抵抗を持たせるのかな?という気がしています。
内輪はAZオイルのフッ素オイルのBlc-12(高粘度タイプ)、外輪はBlc-10(低粘度タイプ)を注油しました。
注油量は外側3滴、中2滴といったところです。
…ただまあ、いずれ跳ねて混ざりそうだなって感じはしましたけどもw それを考えると基本的に同質で粘度が調整されたタイプの系のオイルがいいような気はしますね。
手順(2):DCブレーキとスプールを外す
DCブレーキ周辺の展開図はこうなっています。交換するのは26番のベアリングだけです。
100番の2箇所のビスでDCブレーキ本体を固定しています。下の画像で行くと左右に見える赤いビスです。
ビスを外したら、DCブレーキを引っ張るのではなく、スプールでDCごと押し出すとスルっととれます。
どのみち作業中スプールは外しておきますので、転がって落っこちない場所に置いておきましょう。
手順(3):<DCユニット側>DCユニット真ん中のカバーを外す
大きめのマイナスドライバか1円玉あたりで最初のトルクを抜いて、あとは手で回してカバーを取り外します。
カバー側にも103、102番の2つの部品がついているので、脱落等には注意してください。
銀色の部分は…気にしないでください! いわゆる「オカルトチューン」の類いです。
手順(3)-2:<DCユニット側>ベアリングの引き抜き
ボールベアリング引き抜き工具でボールベアリングを抜き取ります。
注意事項としては、アンタレスDCのベアリングにはゴムパッキンがついていて、ボールベアリングのがたつきを極力抑えています。
そのため、やや力がいりますので注意してください。
また、ボールベアリングが入っているところには「ワッシャ」「1034ボールベアリング」の2つが入っています。
ベアリングの奥に入っている101番のワッシャはそのまま使いますので注意してください。
手順(3)-3:<DCユニット側>ベアリングの挿入
まず、奥のワッシャがあることを確認してから、ダブルセラミックボールベアリング付属のOリングを挿入します。
写真のように、ワッシャ→Oリング→ベアリング となります。
なお、ダブルセラミックボールベアリングは片側がオープンタイプ、片側はシールドタイプになっていますので、好きな向きで取り付けてください。
私は、あければメンテナンスでき、引き抜くときにシールド側にフックしたいので、オープン側を手前に設置しました。
入ったら指で軽く押して中に収まっていることを確認して、蓋を閉めたらDCブレーキ側は終了です。
手順(4):<メカニカルブレーキ側>メカニカルブレーキノブの取り外し
まず、作業に入る前にDCブレーキだけを取り付けて開閉ハッチを閉じられるようにしておくか。開閉ハッチをマスキングテープなどで固定しておくと作業性がよくなります。
次にリール付属の工具でメカニカルブレーキを緩め、ノブを取り外します。
メカニカルブレーキノブ周辺の展開図はこうなっています。
26番のベアリングを交換。27番のワッシャに気をつけてください。ブレーキの部内側はシャフトを抑えてスプールの回転をコントロールするスポンジ素材のような感じでした。
メカニカルブレーキノブはハンドルを取り外さなくても脱着できますが、外した方が作業性はよくなります。
ただし、そのためには作業も増え、六角レンチなどが必要です。取り外さなくても作業はできますので、ハンドルを取り外すための六角レンチなどがなくても大丈夫です。
手順(4)-2:<メカニカルブレーキ側>ベアリングの取り外しと入れ替え
作業的にはこちらもDCブレーキのベアリングと同様、ベアリングリムーバーで引っこ抜いて交換するだけとなります。向きも好きな向きにしておいてOKです。
全ての取付が終わったら、メカニカルブレーキノブを取付なおし、スプール、DCブレーキ、ブレーキのネジ止めをしたら作業は終了です。
注意:交換が終わったらとりあえずメカニカルブレーキの調整
取り外したわけですから当然メカニカルブレーキのセッティングがが狂っています。ゼロポジションまではスプールのカタつきでわかりますので、そこまでは出して、それより締めるなり緩めるなりは実釣時に再調整してください。
ベアリングを交換してどう変わった?
手で回した感じの回転はいい感じでするする回るようになりました。回転が鋭くなったというより「長持ちするようになったな」という感じです。
元々、実釣時にはDCブレーキで回転の上限は押さえ込まれるわけですから飛距離には期待していないですし、軽い力で回る、つまり軽量リグのスプール(とDCブレーキ)の立ち上がり、レスポンスと後半の回転のスムーズさが増していればいいなぁ、といった感じですね。
他の方のレビューとほぼ同じ…だと思います。
音はセラミック独特の音がでるとのことですが、気になるような感じはなし。オイルレスでのベアリングチェックの時は結構音がしたので安心しました。
プレイングレビューは後日。