若洲海浜公園とコノシロ
子供と釣りをはじめてはや3ヶ月。かなりの頻度で行って、国際展示場横に行ったりなんだりし、何度か通ってカニ釣りを楽しんで、やっと釣れたのが若洲。
ああ、若洲。ありがとう若洲。
単純に活性が低すぎる時期にがんばりすぎたという気もしなくもないのですが、あったかくなってきて少し釣りやすいですね。先日は磯のほうでクロダイを上げてる方がいて、クロダイもいいなって思ったりしました。
ところで、若洲で上がるコノシロってやっぱり「臭い」ですよね。
でも、釣って食べられる魚は食べる。これ、うちのポリシー。
ということで、色々調べたり推測したりした結果、美味しく食べられる方法が確立したので、ポストしておきます。誰かのおやくにたて!
(※この記事は2020年3月27日にnoteの投稿したもののリライト記事です)
この記事の結論
若洲コノシロだって、ちゃんとおいしいぞ!
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そもそもコノシロって?
シンコ → コハダ → ナカズミ → コノシロ
という、皆さまご存知、江戸前のオスシであるところのコハダの最終形態です。なので、基本的には「オイシイ」のです。
ただ、このお魚。欠点がありまして…コノシロは「ニシン目ニシン科」なのです。正確には「ニシン目ニシン科コノシロ亜科コノシロ属」となりますが、ともあれニシン同様「小骨がとても多い」わけです。
これがシンコくらいならまだマシなのですが、コノシロくらいになってくると無視できないほど小骨が多く、しかも抜くには量も多くて身も弱い…と、めんどくさすぎて無理という状態です。
また、やはり湾ものなので臭いがそれなりに強い。これをなんとか処理しないといけない。それが食べるための最重要ミッションです。
釣ったらまずやること、やってはいけないこと
釣った瞬間から美味しく食べるための勝負は始まります。
バケツで放置してはいけない
せっかく釣れたんだし、まずは釣った魚をバケツに入れて、泳いでる姿をちょっと見て楽しんで… そんなことをしていると、そこで死んでしまうことも多いかと思いますが、美味しく食べるのであれば、コレは絶対にやってはいけません。
これは他の魚でも同様ですが、バケツの中に水を入れて泳がせておくと確実に味が落ちます。
要因は多くのサイトで語られていますが「ストレスによる」「体力を消耗する」「酸欠になる」「水温が上がってしまうため傷む」etc.…いろいろと語られていますので省略しますが、とにかく美味しく食べるならバケツの中で死を迎えさせることは避けなければなりません。
適当でもいいから絞める
本格的に絞める必要はありませんが、20センチを超えるサイズであれば「脳絞め+エラ切りの血抜き」、10センチ程度までなら「氷絞め」がよいかと思います。
下処理
基本的に下拵えが結構手間のかかる子ではあります。でも、オイシイのでがんばって。
鱗取り〜三枚に下ろす〜皮をはぐ
まずざっくり鱗を取ります。鱗を取ると見たことのあるコハダテクスチャが出てきます。そして頭を落とし、ワタを抜いて三枚に下ろします。ハラの骨もゴツイので派手に落とします。
次に、皮を剥ぎます。ポイントは切り方です。
コノシロはエラの後方に黒い斑がついています。この部分あたりをギリギリ身に残す位置で頭を落とすと、身と皮の間に比較的スっと指を突っ込む事ができ、そのままビビビビビーっと皮が剥がれます。
何故、皮を剥ぐのか
皮を剥ぐ理由は「あの臭みは皮についている」からです。
湾ものですから、そこで育って最終形態までなったコノシロに湾の臭いがついてしまうのは仕方ない。しかし、美味しく食べるにはあの臭いは少々いただけない。ですから、皮は剥ぎます。
これ、ブラックバスを食べる話で思い出したのですが、あれも皮とハラの脂肪の塊のあたり(シャケの切り身で言えば、腹骨の先にある脂肪の固まったあたりは)をちゃんととれば美味しく食べられる。
ということは、コノシロも似たような部位に臭いの原因があるだろう。ということです。
もちろん、皮を含めて食べたければ残したらよいと思いますが、個人的には「あったからといってウマいというわけでもないのでなくていい」と思いました。
皮を剥いだら酢洗い
皮を剥いだら、臭い消しの一環としてサっと酢の原液に数秒、軽く浸して酢洗い(酢くぐり程度)させます。
これで熟成前の下処理は終わりです。
熟成
そのまま食べてもよいのですが、個人的には塩を振り、酢〆にして熟成したほうが美味しかったですね。
酢締めの仕方
下処理が終わった切り身に塩をふって、キッチンペーパーで少し水気を抜く。
ペーパーをとり、もう一度キッチンペーパーでくるんでから、バットに広げて、ペーパーがひたひたになるくらい酢を振りかけます。
そのままのお酢で包むのは保存性を高めるためです。
これをラップか蓋をしてチルド室で熟成。4~5日するとグっとウマミが増します。
食べるときには骨切りを忘れずに
コノシロは最初に書いたとおり、ニシンの仲間ですから小骨が凄い。ですから、しっかりと骨切りをする必要があります。できれば中骨もとったほうがよいでしょう。
中骨は背骨のあるほう、身の内側から。身を触れば位置がわかりますから、それにそってV字、身を半分に切り落とさない程度に包丁をいれて切り取ります。面倒なら半分にきって削いでも全然OKです。
次に骨切り、皮側から身を横にして縦に1ミリ間隔で。バラバラにしない程度に包丁の刃を入れます。
シャリっとした音が出ますのでわかりやすいです。
さらに骨の感じをなくしたければ頭からお尻までいれたら、今度は横に上身2本、下身2本程度入れます。これでしっかりと骨切りが終わります。
刺身の場合は2〜3本入れたら切り分ける(だいたい3〜4ミリ)だと食感とのバランスがよいと思いますし、そのままバラバラにしてなめろう風、2〜3センチほどで分けたり、そのままで揚げ物、上下わけて4〜5ミリ幅の小口にして和え物にしたりと、おいしくいただけると思います。
焼く場合は塩焼きよりはタレ焼き、蒲焼きみたいなほうがいいかもですね。
カレーまぶしてのから揚げとかもかなり美味しいですよ!
揚げたり なめろうにしたり
折角釣れたお魚なので、美味しく頂きましょう!
若洲でサビキを楽しむならコレ!!
コノシロを狙う…ということはあまりないかもしれないですが、若洲でのサビキ釣りは2~4号のものを使うとよい感じです。サッパ、コハダあたりは針2号のサビキがよいですし、26センチ程度のコノシロでも針3〜4号で十分狙えます。
もちろん、2号でもコノシロは十分釣れますが、少し糸の太さに不安が残ります。ですので、私は2号、1号の仕掛けは「ちょい太」の仕掛けを好んで使っています。
また、若洲は冬を除いて比較的濁りの強い場所なので、濁り潮ストロングは効くようで、結構食ってくることが多いような気がします。
まあ、食い気があれば何でも食うんですけども
逆に、6号などのサビキを使うと小型が掛かりにくく、あそこで楽しむのであれば4号以下がよいかなと思いますね。
アミエビに仕掛けをこすりつけ、針にアミを引っかけて投入する「トリックサビキ」は、針についているのが本物の餌ですから確かに釣れるのですが、現場を汚しやすいので、個人としてはあまりオススメはしません。使う場合は終わった後にしっかりと掃除をお忘れ無く!