22バンタム・フィネスチューンのプランを考えた話
暑すぎて釣りに行くのもアレで、夜は元々出かけない人なのですっかりアレです。隙間を縫って本牧には遊びに行きました。サビキはサビキで楽しいですが、何故行った日に限ってアジが回ってこないのか…。
さて、最近、結構気になってるリールがございまして、それが22バンタム。
メタニウムじゃ無くてバンタム。
理由はいくつかあるんですが
- Φ35mmスプールであること
- アベイルのマイクロキャストスプール+マグが出ていること
主にこの点です。
Φ34mmのメタニウムシャローでもいいじゃん…?という疑問も湧くと思うのですが、十分軽いならスプール径が大きいシャロースプールのほうがバーサタイル、さらにブレーキの安定性の点から見ても、軽量フィネススプール+マグという組み合わせが好みなんですよね。
21カルカッタコンクエスト200のΦ38mmマイクロキャストスプールとかあったら喜んでそっちのモデルを買ってるのですが、21の200についてはマイクロキャストスプールがラインナップになく、そうなるとそのうちの最大径のスプールのモデルがバンタム、ということになります。
ちなみに、この思想で標準品として一番近いのはダイワの「シルバーウルフ SV TW PE SPECIAL」。大口径でライトリグを投げる事にフォーカスしたチューニングという思想は似たものといえます。
次にTailwalkのフルレンジ・アベイルカスタムですね。
今回は、そんな「22バンタムをライトバーサタイルにしてやろうじゃないか」という事を考えて、いろいろ探してみた話です。
- contents -
Avail マイクロキャストスプール×バンタム
マイクロキャストスプールは3種類でており、それぞれ、18→フィネス浅溝1.8mm、33→ちょい浅溝3.3mm、58→純正感覚ライトスプール5.8mm といった感じですね。
純正スプールは12.09g、糸巻き量は12lb120m。純正と併せて比較するとこんな感じです。
適当なのでツッコミはナシで!数字は雰囲気くらいでよろしくです。
純正(SVSなし) | 18 | 33 | 58 | |
---|---|---|---|---|
重量※1 | 12.09g(+SVS 3g程) | 7.4g | 7.6g | 8.8g |
純正重量比 | − | -5.5g | -5.2g | -4.1g |
糸巻き量(12lb/PE1号) | 120m/288m | 33m(8lb50m)/80m | 66m/158m | 100m/240m |
溝深さ | 7mm程度(推定) | 1.8mm | 3.3mm | 5.8mm |
糸巻き面(推定値) | Φ20mm台(推定) | Φ31.4mm | Φ28.4mm | Φ23.4mm |
PE巻重量(推定値)※2 | 6.34g | 1.76g | 3.48g | 5.28g |
PE巻総重量(推定値) | 18.24g (SVS付21.24g程度) | 9.16g | 11.08g | 14.08g |
※1:Availのサイト参照で、純正スプール、Avail製スプール共にSVSなし、ボールベアリング込みの重量。なお、SVSインフィニティのユニットは調べてみたところ3g程度、マイクロキャスト用マグネットブレーキは5gとなりますが、スプール重量には影響しません。
※2:糸巻時総重量はPE1号100mあたり2.2gとし、フルに巻いた仮定計算しています。
スプールにおいて「シャフト」と「糸」と「ブレーキユニット」が重い
スプール重量のうち、フィネスになってくるほど、ステンレスのシャフトが総重量に占める割合は実はかなりあります。
また、Availの22バンタム用の場合、シャフトが「超々ジュラルミン(ハードアルマイト加工)」との事ですので、軽量化された重量の一部はシャフトの影響によるものと思ってください。
※おそらく、SVSを抜いた状態で、シャフトをジュラルミンに置き換えたMGLスプールとAvail 58の重量はほぼかわらないはずです。
どっちにしろ中心にあるシャフトの重量について、慣性モーメントの影響力は小さめです。
今回のプランにおいて、その影響が強いのは「ブレーキユニット」と「糸」
マイクロキャストスプールはSVSがなくなるので、スプールから3gほどの重量物が消えます。一方でマグネットブレーキとして増えるのはスプールの外。マイクロキャストスプールがこの点においては圧倒的優位にあります。
※これはシマノのBFSがマグネットブレーキになった理由でもありますね。フィネスにとってSVSユニットは相対的に「重い」のです。一方でフロロをゴッソリ巻いたスプールであればSVSはそれほど重くないとも言えます。
また、実釣時のスプールの重量や慣性モーメントに与える影響は、糸の重さ(量・質)が大きく、その辺りの細かい話はこちらからどうぞ。メチャクチャ勉強になります。
→「DeepSTREAM :[特別寄稿1] ベイトフィネススプールの不都合な真実」
ざっくり、SVSのないマイクロキャストスプールの浅溝は低慣性化にメチャ効く!というわけです。
大口径浅溝スプール、糸巻き面の径が大きいことのメリット
私がこのシステムに求める一番のポイントがここです。
軽量ルアーと大口径スプールの相性が悪いのは「重いからレスポンスが悪く、慣性によってオーバーランしやすい」という性質によるものです。
ざっくりとした話、軽量化と低慣性化が進み、投げたい物がカバーできるのであれば、スプール径は大きいほうがいいと考えています。
スプール径が大きいと言うことは、一定の糸の長さを出すのに必要なスプールの回転数が下がりますし、細い軸に巻き付けた事による糸癖、その抵抗やライントラブルが軽減されますよね。PE+小径スプールの月下美人は基本的に強いバックラッシュしたら結構地獄ですが、大径スプールのアンタレスは比較すれば対処しやすい。
また、巻き取り量も小径スプールより長くなります。ボディが大きくなることでギアのパワーも上がる。
これらは大口径浅溝スプールのメリットであり、実に魅力的なところです。
バンタムの筐体強度は折紙付き
ハイパードライブデザインを導入した月下美人などは、コンパクトながら堅牢さをある程度持っていますが、コアソリッドボディとなるバンタムとは比べるべくもありません。
この点に関しては18バンタムのチューンでカケヅカデザインワークスさんもメリットを述べられてますね。
逆に、パワーが強すぎるというデメリットはありますが、超浅溝細糸でフィネス・浅溝バーサタイル・深溝ビッグベイトと、スプール3つ持っていればリール一台で十分カバーできる強さ、という考え方も出来ますね。
調べてる時に見つけた”ドライブギア”の話
18バンタムと22バンタムと20メタのドライブギアは同じ。てことは…?
シマノの黒田プロが黒田健史の「いろはにほへと」にて記事にされてますね。
最後に黒田からの限界アドバイスです。
20メタのドライブギヤは18バンタムと同じものを使っています。
今回20メタと22メタは同筐体です。
そして18バンタムと22バンタムは同ドライブギアです。
ということで、もしかすると22バンタムの同ギア(ノーマル・HG・XG)であれば、メタニウムシャローのドライブギアはそのまま交換できる(かも)しれないということでシマノのパーツリストを調べてみました。
私がレフトハンドル使いなので基本はLEFT表記ですが、各ギア比・左右で型番は違いますので注意です。
機種名 | ドライブギア (番号/S Part No./価格) | ピニオンギア (番号/S Part No./価格) |
---|---|---|
22バンタム XG LEFT | 0604/1021S/2475円 | 0605/10T9E/1705円 |
18バンタム XG LEFT | 0195/1021S/2475円 | 0196/10072/1705円 |
20メタニウムXG LEFT | 0602/1021S/2475円 | 0603/10072/1705円 |
23メタニウムシャロー XG LEFT | 0602/13UYJ/2475円 | 0603/10072/1705円 |
ピニオンギアはインフィニティドライブ搭載の22バンタムのみが違う品番、ドライブギアはジュラルミンギアになったメタニウムシャローのみが違う型番、という結果。
ということは…
ピニオン10T9E ↔ドライブギア1021S(22BTM)
ピニオン10072 ↔ ドライブギア13UYJ(23MTS)
ピニオン10072 ↔ ドライブギア1021S(20MT・18BTM)
ということは… ドライブギア13UYJとピニオン10T9Eはかみ合う…はず。
ということで、展開図から読み取れる情報では、ドライブギアだけ買えば22バンタムのドライブギアを軽量化することができそうな感じですね。
※あくまでもデータ上なので自己判断でお願いします。
数グラムとはいえ、元々重いギアボックス側だけにの軽量化は効果がありそうです。18バンタムはともかく22バンタムは案外「アリ」かもしれません。
いくらかかるかな?
さて、いろいろなものの費用をまとめてみましょう。
品目 | 価格 | ざっくり合計価格 |
---|---|---|
22バンタム LEFT本体 | 32000円前後 | |
Avail 22バンタム用マイクロキャストスプール + 22バンタム用マイクロキャストブレーキ | 14300円 +3300円 | 50000円 |
■ドライブギア関連 ————– | ||
純正パーツ 23メタニウムシャロー ドライブギア (別途 取り寄せ送料+600円程) | 2405円 | 52500円 |
純正パーツ 23メタニウムシャロー ドライブギア +22バンタム ピニオン (別途 取り寄せ送料+600円程) | 2405円 +1705円 | 54200円 |
■オプショナルパーツ ————– | ||
純正パーツ 22バンタム LEFT 本体B組 | +8415円 | |
ANYセラミックボールベアリング(HXR) | +3400円 | |
ハンドルノブ 交換BB×2ヶ(7x4x2.5) | +400円 |
大ざっぱ計算ですが、純正ギア構成+ベアリングチューンして53000円で、ジュラルミンギアチューンして〜58000円くらいかな。
ベアリングはフィネスチューンを考えるとセラミックに交換がマストです。1034はセラミックダブルボールベアリングにしてもよいかなと思います。また、ハンドルノブがベアリング+カラーなので、片方のカラーをベアリングに変えるならそれも追加。
ちなみに、シマノのリールはノーマルギアが安く余り気味ですが、ハイギハンドルが42mmのほうがいい人はノーマルギアモデルを買ってしまうというのも選択肢にはいりますね。
19アンタレスにもうすぐ手が届くし、メタニウムシャローから考えると2万円ほどの価格差が出ますね。
純正スプールが不要ならフリマアプリで手放せばOK
正直、SVSとマグを都度入れ替えて両方運用しようというのは大変面倒ですので、使う予定がなければ手放してしまうとよいかなと思います。(ただし、本体は手放しにくくなるかもしれません)
純正パーツ価格で11500円ですから、22バンタムは18バンタムと違って余り悪評もなく、10000円程度では十分売れるでしょうし、売る前提なら+1万円程度の出費で組み替えられるかな、という感じですね。
スプールを手放して浅溝18か33と、58番マイクロキャストスプールを二つ買うという手もありますね。
純正スプールも活かすなら本体B組(スプール側プレート)も買う方がよさそう
表中の「本体B組(425 10S1S)」は、ブレーキ側のプレートになります。マイクロキャストブレーキと標準スプールを同居させるならこちらを購入したほうがよいかなと思います。
なお、このうち間違えずに全てのパーツを発注するのであれば、ブレーキパイプギア組(92)と、別途ベアリングを購入するなら該当するベアリング(87)は不要ですので、その場合3100円ほど下げることが出来ますが、間違えずに全てを頼み、自分で組み上げる必要が出てきます。
3000円を組み付け手数料とするかどうか、ですね。
ギアと合わせたハンドルチューンも考えると結構奥が深い
ロングハンドルが基本的には人気ですが、元々剛性感の強すぎる傾向があるだけに、個人的にはXG+80mmハンドルという、接点のライト化で情報を増やすセンシティブ的なチューンというのもいいなと思ったりします。
グルービンデカールもカッコいいんですよね
バンタムはコアソリッドボディなのでキズがつくとフレーム交換、だからこそプロテクトシールは欲しい。
そんなときは私は常にwanee’sさんのサイトを見に行きます。そしたら出てるじゃないですか。22バンタム用のグルービンデカール。いわゆる彫金風の立体シールです。
買ったら絶対これ貼るんだ…!
とりとめもなくまとめ
ラインシステムを太めにできて、ライトリグの飛距離を多少犠牲にしても広めのウェイトレンジを扱いやすい大口径フィネスというのは必ず一定のニーズはあると思うので、こういったチューンもありそうだよ、というネタでした。
2024SSは、ダイワはSS Airの新型ブレーキを搭載した32mm、34mmスプールの新型SVリールが出てくるかな、と思いますし、シマノではシーズン的には19アンタレスの更新時期がそのころです。
ルアーの単価を高くしやすいビッグベイトブームがメーカー的にはきていましたが、リセール市場をみるにそろそろビッグベイトブーム(に限らず、釣具市場のバブルそのものが)は納まりつつあるなと感じています。
ベイトリールにおいては、カルカッタコンクエストMD、アンタレスDCMD、IM-Zも出た。BFSも出た。
今度煽るべきは「プレッシャーが年々増していく○○フィッシングシーンにおいて、さらにタフになっている。フィールドの状況変化に、これ一つで対応できるバーサタイルなベイトリール」みたいなところでしょうか。そもそも糸どうすんねんみたいな話はありますが、そこは釣具業界特有の決まり文句みたいな。
むやみに簡単さを訴えるとか、むやみに難関さを訴えるのは釣具業界の広報テンプレートですからね。
ま、そんなこんなで、おそらく2024〜25シーズンのトレンドの重心はこのへんにくるかなーと思いますし、そこにドはまりするチューンでもありますね。
ということで、参考になったらリンクから是非
シマノ純正パーツの取り寄せ
馴染みのショップがあったり、近くに「シマノ系」に強い釣具屋さんがあれば取り寄せはできますが、小さな釣具屋さんだと手間だけかかって利益無し、ということで余り快く思われないと思います。
送料も安いですし、ネットで自分でリストを作って発注が手軽でよいかなと思います。
ネットでのシマノパーツの取り寄せなら、楽天の「ヘッジホッグスタジオ」さんか、「エビススリー」さんが便利です。
ヘッジホッグスタジオさんは注文方法にそって発注、エビススリーさんは一部のパーツは商品リストから選んでポチってするだけ、ないパーツについても相談OKとのことなので、どちらも便利ですよ。