DAIWAから高比重PE!
通常のPEラインの比重は0.98、淡水で1、海水で1.03前後、どちらにせよ水より軽いため基本的には「浮く」ということになります。
これがナイロンくらい緩やかに沈めば…みたいなユーザさんが高比重PEを探す。そんなケースはよくあります。ライトゲーマーさんに顕著かな。
ただし、サスペンドのアーマードF+PROを除くと、これと行って鉄板がない…というのもまだこの分野が成熟してないな、と感じるところでもあります。
そんな中、2023年、ダイワからブランド別に2種類の高比重PEが発表されました。
アジング・メバリングのブランド「月下美人」から、4本編+芯材の細糸0.3〜0.5号。ベーシックブランド「デュラ○○」から8本編+芯材の0.6号〜2号のデュラヘビーの2つがラインナップされました。
- contents -
UVF PEデュラヘビー×8+1+Si2
芯材にFEP(テトラフルオロエチレンですかね?比重2くらい)のラインを中心に、ダイワTOUGH PE(タフPE)8本で編み込んだ比重1.07〜1.20の高比重PEx8ラインです。
他にもこの芯構造の高比重ラインはありますが、構造的にはアシストラインのようなものですね。
比重は1.20〜1.07まで。どちらかといえば比重はエステルではなくナイロンラインに近いPEを目指しているといった感じですね。
これは芯材とその外側で編むPEの量の違いで変化するため、一定の比重にはならないということになります。
参考号数 | 巻糸量(m) | 比重 | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|
0.6 | 200 | 1.20 | 4,400 |
0.8 | 200 | 1.15 | 4,400 |
1 | 200 | 1.09 | 4,400 |
1.2 | 200 | 1.07 | 4,400 |
1.5 | 200 | 1.11 | 4,400 |
2 | 200 | 1.07 | 4,400 |
UVF 月下美人デュラヘビー×4+1+Si2
芯材にFEPのラインを中心に、ダイワTOUGH PE(タフPE)4本で編み込んだ比重1.07〜1.20の高比重PEx4ラインです。アジングを中心としたPEでのライトゲーム、エリアトラウトあたりに向いたラインですかね。
この細さになると8本編では原糸が細くなりすぎるので、強度とのバランスを考えて4本編になったのだと思います。
比重は1.20〜1.1までのラインナップで、こちらも比重はエステルではなくナイロンラインに近いPEを目指しているといった感じですね。ちょうどデュラヘビーの0.6号に繋がるようになっています。
参考号数 | 巻糸量(m) | 比重 | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|
0.3 | 200 | 1.20 | 3,300 |
0.4 | 200 | 1.14 | 3,300 |
0.5 | 200 | 1.10 | 3,300 |
注意点:高比重PEはどうやっても強度は低い
デュラセンサーx8の0.6号が12lb(AVE.)で、デュラヘビーx8がパッケージ表記によれば11lb(AVE.)と、1lbほど下がっていますね。
「比重は芯材:PEの比率で決まる」「芯材の強度がPEに劣る」この2点から高比重PEで本来のPEの号数と同じ強度を出すことは基本的には不可能です。
サスペンドになるアーマードF+Proを除いて、基本的には「芯材+PE」の組み合わせになりますので、高比重芯材が2.0あたりの比重として、これに「どのくらいの細さのラインで外側を編んで、PEの基本号数の太さにしたか」ということです。
これはラインの弱点ではなく特性といっていいかと思います。
ちなみにPITBULL G5はG4の0.6号で比較するとmax 12.5→10.6lbと15%程強度が下がっていますので、「重くしても強度を維持するには0.6号なら0.8号、1号なら1.2号と、1番手あげる必要がある」といったところですかね。
ユニチカのエステル芯ナイロンラインのSHIN-SAYAもそうですね。基本はナイロンラインとしながらも比重は比重1.2、その比重を産みだしているエステルの強度に影響を受けます。
また、同じ号数のPEより弱い…といっても同じ太さのモノフィラよりずっと強度があり、PE特有の感度はある。それが高比重PEのメリットですよね。
ダイワの高比重PEはバランスを重視している
ダイワの高比重PEラインは、他社比重1.3などのラインに比べるとだいぶ芯材は細くしていることは推測できます。
これは「1.1〜1.2あればスローシンキングになるので十分な水馴染みが得られる」という選択なのだなと思います。
それが強度10%減ほどで済んでいる理由でもあり、高比重PEでもよりこれまでと同じ号数/強度の感覚で使えるかなと思います。もちろん、心配であればひとつ上、1号だったら1.2号、0.6号だったら0.8号を使うとよいかな、といった感じですね。
ちなみに高比重芯材の太さは各号数事にあるわけではないのはデュラヘビーx8の1.2号と1.5号に比重の変化ポイントがあることで推測できます。(1.2号→1.5号における強度の変化には注意が必要そうです)
個人的にどこで使うか考えると…
個人的には、オカッパリソルトシーンのベイトリールのメインラインで高比重PEをフルで巻いて使うケースはあまりないと思ってます。
近距離戦のバス・ボートでのライトソルトならアリかな。
なぜなら、比重が高いほどスプール全体を重くしてしまうので、折角メーカーが努力して削り取ったフィネススプールの意味を相殺してしまう、キャスティングゲームになるソルトベイトフィネスでは微妙なんですよね。
また、そもそもベイトならロングリーダーが使えるから、という点もあります。リーダーでコントロールすりゃいいじゃん、みたいな。
なので、もし使うならターゲットに併せてキャスト範囲の半分くらい、メインラインよりもちょっと強度高めにしたスペーサーで使って、さらにショックリーダーをガイドの外に出す、ロングリーダーの代わりにするにはよさそうだなと思います。
ガッツリ巻くならスピニングリールかな。こちらは糸が重い事のメリットはありますし、ベイトのような重いことのデメリットもなく、そのままガッツリ巻いてガッツリ使えますからね。