ロングキャスト向きのグリップはワンフィンガー?ツーフィンガー?の話
秋のシーバスシーズンでもあるのでキャス練かねて連日投げてきました。
釣果としてはゼロですが、どちらも2バイトはあったかなーといったところ。いっこはワームを引っ張られて外れてたのでおそらく確実。特に1日目は明確に狙ったところでバイトがとれたのでちょっと嬉しい。
Fishman comodo 7.5H、アンタレスDC、PE3号に 50LBリーダーが2ヒロ半でFGノット。基本ビッグベイト用のセッティングで、16gくらいまでの比較的軽い物も投げます。飛距離はややスポイルされますがアンタレスDCのリール性能なら問題なくキャストできますね。
ジョルティ30でだいたい70巻きくらいなので60mないくらい、メタルジグ30gで65mくらい。メタルジグ45gで80mくらいですかね。
やっと入門しましたくらいの距離が出せるようになったかな…? comodo 7.5Hだともう少し重い60gくらいのほうが竿の性能が出せるのかもしれません。
ジョルティ・メタルジグ・バイブなどはブレーキもXモードの1、LBOなど重心移動がついてるプラグでも1〜3くらい。ビッグベイト/ジョイント/クローラーは重さと暴れ方に併せてPかNの1〜4くらい。
昔からするとだいぶキャストの距離、ブレーキ、トラブルと減ってきましたし、ビッグベイトでの食い込みバックラッシュの解消でほぐし方もだいぶ手慣れてきた感じ。
今のベイト遠投の参考にしてるのは相変わらずの釣れないおじさん@上宮氏。
最近みた遠投系では「俺釣りガチ勢じゃないんで」さんのこちらも凄いなと思いました。
特にリールがTatula TW 300。固定マグですよ。DCブレーキ、遠心、MagforceZなどで100飛ばす人は山ほどいますが、固定マグのTatula TW 300で100飛ばす人はなかなかいません。
キャストフォームがめちゃくちゃ綺麗。
で、こちらの方、説明にあるとおりリールの握りはツーフィンガーなんですね。
来ました「ベイトのキャスティングはワンフィンガーかツーフィンガーか」問題。
バスのキャスターは”王様”村田基氏や、参考にさせて頂いてるSoraRara氏など「手首を軸にアキュラシーの高いキャストをする」ので、手首の可動が大きいワンフィンガーが基本としています。
SoraRara氏、キャスティングがすごく綺麗ですね。
さて、ここからが本題。帰ってきてから家事こなしながら適当に再生してたらちょっと古い上宮氏の動画が流れてきまして…
これを見て、唐突に繋がった(気がした)んですよね。
だもんで考えてたことメモ。間違っててもしらないよ!
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何故ワンフィンガーで何故ツーフィンガーかの考察
ソルトのロングキャスターは今回のお二方どちらのキャスターもキャストフォームは大きくゆったり、体の回転を使ってキャストするキャスターで、スピニングの「シュパ」っと投げるキャストとは正反対にあります。こちらはツーフィンガー。ちなみにビッグベイターの衣川真吾氏もツーフィンガーでした。
ブラックバスのキャスターはワンフィンガー。手首の可動域を使ってシュパ!シュパ!っと狙った所にアキュラシー高く投げ込んでいくスタイルです。
さて、この二つの違いを道具とその狙いの側面で考えてみると…
- バスのタックルは「ロッドが短い」、ソルトのロングキャストタックルは「ロッドが長い」
- バスのタックルやルアーは「軽い」、ソルトのロングキャストタックルやルアーは「重い」
- バスはアキュラシーの高いキャストを比較的近いポイントを狙う。ソルトのロングキャストは飛距離を第一としてより遠くのポイントや奥に送り込んで手前のポイントを狙う。
もちろん例外的にビッグベイトやレイクでの遠投等もありますが、基本的にはこの短長・軽重の傾向があると言って良いと思います。(つまりエリアトラウトやライトソルトはバスと同じでいいと言えると思います)
ロッドの長さが短ければ全体のタックルは軽く、てこの原理の影響は小さく、ルアーも含めたの手の負担重量も軽い。ロッドが長ければ全体のタックルは重く、てこの原理の影響は大きく、ルアーが重く手の負担も大きくなる。
つまり、バスのキャストのワンフィンガーをそのままソルトのロングロッドでのキャストに持ってくると、手首の負担が大きく、重さに負けて手首がぐらつくこと、また、だからこそ力を入れすぎてフォロースルーまで力んでしまったりする事が、ロングキャスト時のブレの原因・ロッドを曲げきれない原因になってるのではないか?
という点が考えられます。
手首が扱いきれるタックルならばワンフィンガーのメリットを享受できるが、手首が負けてしまうと途端に精度も飛距離もでない。その解決策の一つがツーフィンガーキャストになるのかなと思います。
ツーフィンガーにすると何故それが解決されるのか
それは手首の可動域の制限です。
野球のピッチャーで手首が残ったまま投げてしまうと球速球威がでない。というのがあったようななかったような遠い記憶です。つまり「手首が負けると球威が出ない」
それと同じで、ロングキャストもしっかりと曲げて、その反発を前に送り出す。ワンフィンガーはそのための動きの多くを手首が担う必要があります。
しかし手首は本質的に弱い部分です。腱鞘炎とかよくある話ですよね。
ツーフィンガーの場合、手首の可動域が制限されているため、手首はあくまでもロッドを固定するための「支持と小さな可動」程度の仕事量しかできなくなります。結果、負担は減ります。
ただし、この投法の欠点、それは「手首が担っている細かな可動は他の部位では再現できないので、アキュラシーは確実に下がる」という事です。
さて、その小さくなった可動域でロングキャストをするには…
弱い部分の可動を制限する事でフォームを大きく強くできる
小さな動きで腕で強くふり抜くキャストの組み合わせは典型的なスピニングキャスト、ベイトリールではバックラッシュキャストで、これではロングキャストに必要なパワーも作れません。
ボールを投げる時、手首で投げるより腕を使った方が、腕だけよりも肩も使う方が、さらに体全体を使った方が当然球威のある,遠くまで届くボールを投げられますよね。
ベイトでロングキャストに必要な力を溜めるためには、肘/腕/肩(上半身)が連動して行く必要があり、肘/腕/肩/体全体を使ったキャストをするためには、ボールを投げるときと同じく「大きなストローク」が一つの答えになります。
もちろん、手首の可動域が残っていても大きなストロークはできますが、大きなストロークで得たエネルギーは一番弱い手首に負担をかけます。弱い手首からは揺れやブレが、無理にカバーしても今度は力みが発生します。
しかし、手首の可動を狭める事で、キャストフォームは手首を使わ(え)ないフォームになります。その結果、手首の負担はグっと軽減されますし、手首が固定される分ブレも小さくなります。そして、より頑強で強い筋肉の箇所を使えるということです。
じゃあ、ここにさらに勢いよくテイクバックして、ルアーに遠心力によって勢いをつけ、竿を曲げるパワーを加えたらもっと飛ぶのか…というと、糸の先についているルアーの姿勢を制御することは難しく、その後の姿勢のブレからバックラッシュや飛距離をスポイルする原因になります。
その結果が「ルアーを暴れさせない大きくゆったりとしたストローク」であり、上宮氏が仰ってる事がここにつながってるのだな、と思いました。
ツーフィンガーにすることでリールの保持力が上がる
ワンフィンガーでは基本的にリールそのものは保持しませんが、ツーフィンガーになると掌が多少なりとも被る形になります。「掌にボールを握ってる状態に近くなる」ため、全体の安定化に寄与すると考えられます。
右投げツーフィンガーは左ハンドルじゃないと厳しい
右投げツーフィンガーの場合、左ハンドルじゃないと明らかにハンドルが邪魔になるので、リールは左ハンドルに限られます。
そういう意味で、ソルトロングキャスト向けのリールは左ハンドルが利便性が高いといえるかもしれません。
基本のワンフィンガーは大正義
これ、ようは「向き不向き」の話ですから、ドッチが偉いとかじゃないんですね。
アキュラシーの高いキャスト、手首を使ってテクニカルなキャストを行う場合なんかは間違いなくワンフィンガーのほうがいいわけで、手首がタックルに負けない状態ならワンフィンガーは大正義です。
オマケ・支点の変化
僅かですが、キャスト時のロッドバランスにおいてロッドを支える”支点”が前に動きます。
まさに指一本分ですが、これによってリアグリップが実質2cm伸び、フォアグリップが約2cm程度短くなった事と同じ効果があるはずです。
いいことづくめのようですが、支点の変化自体は「長いロッド」の竿先が短くなる(≒ショートロッド化)と似たようなデメリットはあります。
また、リールと掌の接触部分についても前になることで、タックル最大の重量物が支点に近づく、というのも見逃せない要素かなと思います。
ちなみに、Fishmanのロッドはグリップのバランサーがかなり入っているロッドなので、この「グリップを指一つ前に出したときのバランスの変化」は他のロッドより大きいと思います。
またキャス練で実戦してきます。
Fishman BRIST MARINO 9.9Hもデリバリーまでもうすぐなので、到着したらこの考えを元にフォームの練習をしてこようかなーと思います。