レビュー:ガンクラフト 邪鮎 ジョイクローラー178
ビッグベイトの代名詞にして今だ現役。永世竜王のような「ジョインテッドクロー178」のクローラー版です。
余談ですが、ずっと「JOY」だと思ってました。JOINTEDCRAWなので本当「JOI」ですよね。
ジョイクローラー 178の概要
サイズ:178mm 2oz Class
フック:(標準フック)フロント:#1 リア:#2
価格:6,800円(税別)(メーカー希望価格)
見た目はジョインテッドクローに羽根がはえただけ…?ですが、オフィシャルでも「オマージュ」といっているくらいですから、ジョインテッドクローをクローラーベイトにしただけ…ではなく、ジョインテッドクローの血統であることは揺るがさず、しかしクローラーベイトとしてのエンジニアリングがされたモデルと感じました。
なので、ザクIIとデザートザクくらいの違いはあるはずです。
デザイン的なアプローチはさすがガンクラフト、クローラーベイトでありながら実にスリムかつスマート。
まさにカッコイイそのもの。文句の付け所はないですね。
スリムと行ってもなんだかんだでファットなクローラーベイトが多い中、まさにスリムクローラーです。このくらいスリムなのはアダスタのFORCEMIXくらいでしょうか。
フックは前後でサイズが違いフロントが大きめ。バランス調整込みでしょうからうっかりいじるとバランスが崩れそうです。
ちょっとだけ厳しいな…と思うのは価格で、6800円税別ですから、実売価格帯が安くて5500〜定価といったところになります。試しに買うにはちょっと高い印象になりますね。
公式動画コンテンツ
技術・特徴
特徴としてはジョインテッドクロー譲りのテールセクションの動き、どの速度帯でもしっかりと見せてくる動きのよさです。
また、ウイングの取り付けパーツに一工夫してあり、3つのねじ込みのうち2つはUの字になっていて、金具を全部外さなくても小ビス2つを緩めるだけで羽根が交換できる,というのはかなりメリットがあるなあと思いました。
このあたりをみるだけで「どうあってほしいのか」「何が不便なのか」というユーザ目線からしっかりと考えられた製品づくりをされてるのがよくわかります。
唯一、フックアイがノーマルアイで、スイベル内蔵していないことだけが若干惜しいなぁと思うところですが、特にリアフックについてはフックアイの動きを制限するか、整流させるためのボディの張り出し構造があるので、意図的な選択であることは間違いないと思います。
キャスト感
ジョイクロ178Fを検索をするとそれなりに「キャストで回る」とあり、ジョイント+羽根というキーワードを考えたら、もう飛行姿勢はヘリコプターなんですが、これがまた案外にも素直にテールから綺麗に羽を畳んで飛んでいきます。
もちろん、キャスト時に力みすぎたり、キャスト時に回転運動的な入力があれば楽しそうに回って飛んでいくんですけども、ようはちゃんとスムーズに竿に重さを乗せて曲げて、その反動で飛ばしてあげれば回らない。そしてそれなりに飛ぶ。
Fishman 赤塚社長のコーク150の紹介を兼ねたビッグベイトキャスティングの動画はかなり参考になりました。
飛距離もまずまず。ゆったり投げても30mくらいならちょっと投げ込めばすぐですね。
ロッド次第では40台までは無理なくいけるのではないかなぁと思います。
操作感・泳ぎ
「デッドスティッキングから超ファストリトリーブまで、あらゆるリトリーブスピードに対応」
という売り文句を見て「またまたそんなぁ」と思ってたのですが、ホントに凄いですね。流れを受ければ止めてても揺らめく。
引き始めればデッドスローでも動き出し、小さくともしっかりとクロールをしつつ、テールもアクション。
もちろんノーマルリトリーブに破綻などなく、高速リトリーブでは逃げ惑うようなアクション。
ハンドルを素早くクルっと回せば、突如動きを変えて慌てるような、死にもがくようなアピールアクションも見せられる。
ジョイクローラーは後発。また安くないモデル故に、箱から出してそのまま使って、どんなシチュエーションにも応える仕上げをしたのだな、というのを感じました。
ソルトで使っても浮き上がり感はありませんでしたが、1gない程度のウェイトチューンをすると喫水がもう少しプラスされて、アクションにもプラスになるかなぁと感じました。
フックに糸オモリを巻くか、ボディにシンカーをつけるか、完成された動きを考えるとフックへのウェイトチューンかな…。
また、フックアイがスイベルじゃないことでボディに負担が掛かるので、スイベル内蔵クアッドフック、リューギのピアスクアッドも視野には入れてます、ちょっと高いのと細いのが気がかりではあるんですけど…。
予備パーツ
ウィング+金具のセット、ウィング2セットの2種類の予備パーツが発売されています。
どちらも1500円程度ですし、Amazonでも購入できるため、入手性も悪くないので安心して使えます。
また、テールはジョインテッドクロー178のソフトタイプが指定されています。
「ジョイクローラー178」はおすすめ?
残念ながら、羽根モノでは先駆者であるダッジ、アベンタ等がおり、まさに挑戦者枠でレビューも少なめ。
また、価格帯がやや上、この価格帯は先駆者の鉄板クローラーベイトの多くの製品と同じか微妙に上の価格帯になっているのが、現状、レビュー等で垣間見える競合との厳しさを感じます。
鉄板のダッジ、デカダッジ、アベンタ、リザード、Nz…などなどに切り込むまでにはいってないところは感じますね。
また「クローラーベイトにしては細い・長い、ビッグベイトにハネはやしただけじゃん?」みたいなヴィジュアル的な印象というのも、クローラーベイトのビジュアルが好きで使っている型には手を出しにくいところなのかもしれません。
結果、今のところはやや露出が弱い状態。
Twitterあたりを検索するともちろん使ってる人はいますし、動画もないわけではないのですが、「その筋で有名な人が使っての釣果レビューが人を呼び、影響された人がまた釣果レビューを重ねる」には至れていないといえるかと思います。
ただ、それは逆に「発信力の強い人の実釣レビュー」で一気に化けちゃうので、そのうちきっとレギュラー入りするんだろうな、なんて思ってます。
まあ、「釣る」という結果を求めるだけならば、実績積み上がりまくりのジョインテッドクローでいいじゃん…?というキモチもわかるんですね。実績がありすぎて。
いうなれば…「ジョイクローラーの最大の敵はジョインテッドクロー」…なのかもしれないですが、ポテンシャルは凄く高いと思います。
余談
ソルトクローラー部的な目線では、こちらは本命中の本命になる可能性があると考えてます。
理由としては下から見たときのシェイプ、シルエットとして、アベンタやダッジは若干太いかなというところですね。
…とはいえ、例えば「弱ってるコノシロが横になってもがいてる姿」と仮定したら、そのファットなシェイプも意味がありそうではあります。
まさにそのタイプのクローラーであるレゼルブビッグ、レゼルブハッチですが、そちらもナブラうちでのデッドスティッキング的な攻め方での可能性を感じています。
ただまあ、釣れるかどうかはわかりませんし、そもそもお魚次第。
そもそも釣るだけなら実績ばっちりのジョイクロで釣ればいいんですけど。それを言っちゃおしまいなのです。ソルトクローラー部です。
とりあえず、買ったからにはなんとか釣れるようがんばりまーす。